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Japanese Living Bible Hebrews
ヘブル人への手紙
ヘブル人とはユダヤ人のことです。 ユダヤ人は神殿をとても重要なものと考えていまし
た。 ですから、そこではいつも、いろいろな宗教儀式が行なわれ、事あるごとに動物の
犠牲がささげられていました。たとい、クリスチャンになっても、神殿での儀式を熱心に
守る習慣は変わりませんでした。 このようなユダヤ人に、ほんとうにたいせつなのは、
儀式を守ることではなく、身代わりとなって死んでくださったキリストを信じることだと、
この手紙は教えています。
1ずっと昔、神様は、幻や夢や、時には直接の語りかけなどの、いろいろな方法で、預言
者を通して先祖たちに、ご自分の計画を少しずつ明らかになさいました。
2しかし今の時代には、ご自分のひとり息子を通して語っておられます。 神様はその子
にすべてを受け継がせ、彼によって、世界とその中のすべてのものをお造りになったので
す。
3神の子は、神様の栄光を受けて、まばゆいばかりに輝いています。 また、その人格と
行動すべてにおいて、神であることを示し、力あることばによって、宇宙を統御しておら
れます。 そればかりか、私たちのいっさいの罪の記録を消し去ってきよめるために、死
んでくださいました。 そして今は、最高の栄誉を受けて、天におられる偉大な神様のそ
ばに、座っておられるのです。
4こうしてこの方は、御使いより、はるかにすぐれた存在となられました。 それは、父
なる神がおつけになった「神の子」という名が、御使いたちの名や肩書きとは比べ物にな
らないほど、すぐれていたからです。 5神様はどの御使いに対しても、「あなたはわたし
の子だ。 今日あなたに、その名にふさわしい栄誉を与えた」などと言われたことはあり
ません。 しかし、イエス様に対しては、そう言われたのです。 さらに、「わたしは彼の
父であり、彼はわたしの子である」と宣言されました。 6それから、長子であるイエス
様を地上に送る時、「御使いはみな、彼を拝め」と言われました。
7御使いたちについて、神様は、「風のように速い使者、燃える炎のような力を持つしもべ」
と紹介しておられます。 8しかし、神の子については、全く違っています。
「神よ。
あなたの国は永遠に続く。
その支配は、いつも公平で正しい。
9あなたは正義を愛し、悪を憎む。
それであなたの神は、
ほかのだれよりも多く、
あなたに喜びを注がれた。」
10そればかりか、神の子を「主」と呼んで、こう言われました。
「主よ。 あなたは世の初めに地を造った。
天も、あなたの手による作品である。
11これらは、やがて無に帰す。
しかしあなたは、いつまでも変わらない。
すべてのものは、古着のようにすり切れる。
12いつかあなたは、それらを捨て、
別のものと取り替える。
しかしあなたは、決して変わらず、
あなたの年齢には終わりがない。」
13神様が御使いに、次のようなことばを、おかけになったことがありますか。
「わたしがあなたの敵を
完全に征服するまで、
わたしの右に座っていなさい。」
14御使いは、救われる人々を助け、守るために遣わされた、霊の使者にすぎないのです。
1そういうわけですから、私たちは、すでに聞いた真理を、ますますしっかり心にとめな
ければなりません。 そうでないと、真理から離れて、漂流することになります。 2御
使いのことばでさえ、いつも真理と認められ、そのことばに従わない人は、例外なく罰せ
られました。 3そうであれば、主イエス自身の口から語られ、それを聞いた人たちが伝
えてくれた、このすばらしい救いを無視した場合、どうして、罰を免れることができるで
しょう。
4神様は、この救いのことばの真実さを、多くのしるしと、目をみはる出来事と、さまざ
まの奇蹟によって示し、聖霊様が、信じる者に与えてくださる特別の能力によって、はっ
きり証明してくださいました。 神様は、この特別の才能を、一人一人に下さったのです。
5私たちがいま話題にしている未来の世界は、御使いが支配する世界ではありません。 6
なぜなら、ダビデは旧約聖書の詩篇の中で、こう神様に語りかけているからです。
「あなたが、こんなにも大きな関心をお寄せになる人間とは、
いったい何者でしょう。
こんなにも高い栄誉をお与えになった人の子とは、
いったいどなたでしょう。
7あなたはその方を、しばらくの間、
御使いよりも低いものとなさいましたが、
今は、栄光と誉れの冠をお授けになりました。
8そればかりか、この世に存在するものすべてを
支配する権威を、お与えになったのです。」
その支配を逃れるものは、何一つありません。 私たちはまだ、このことばの完全な実現
を見てはいません。 9しかし、しばらくの間、御使いよりも低くされ、私たちのために
死の苦しみを味わうことにより、今は栄光と誉れの冠を授けられた、イエス様を見ていま
す。 まことに、イエス様は、神様の大いなる恵みのゆえに、全人類のために死なれたの
です。 10栄光を現わすために、すべてのものをお造りになった神様が、ご自分を信じ
る者たちを天まで引き上げるため、イエス様を苦しみに会わせたのは、まことに正しいこ
とでした。 この苦しみをくぐり抜けて、イエス様は人々を救いに導くにふさわしい、完
全な指導者となられたのです。
11イエス様によってきよめられた私たちは、今では、イエス様と同じ父を持っています。
だからこそ、イエス様は、私たちを兄弟と呼ぶのを、恥とはされないのです。 12イエ
ス様は、旧約聖書の詩篇の中で、こう言っておられます。 「わたしは、父なる神のこと
を、兄弟たちに語ろう。 そして、声を合わせて神を賛美しよう。」 13また別の個所で、
「兄弟たちと共に、神を信じよう」と言い、さらに「さあ、わたしはここにいる。 神が
与えてくださった子供たちといっし
ょに」と述べておられます。
14神様の子供である私たちは、血も肉もある人間です。 そこでイエス様も、血肉を持
った人間の姿でお生まれになりました。 それは、人間として死ぬことにより、死の権力
をふるう悪魔の力を打ち砕くためです。 15これだけが、死を恐れて、一生涯、恐怖の
奴隷となっている人々を、救い出す方法だったのです。
16私たちはみな、イエス様が、御使いとしてではなく、一人の人間、一人のユダヤ人と
して来られたことを知っています。 17イエス様には、あらゆる点で、兄弟である私た
ちと同じになることが、どうしても必要だったのです。 そうしてはじめて、イエス様は、
私たちにとってはあわれみ深く、神様にとっては忠実な大祭司として、私たちの罪を取り
除くことができたのです。 18自ら、試練と非常な苦しみを体験された主イエス様は、
試練にあえいでいる私たちの苦しみをよく理解して、実にみごとに助けてくださるのです。
1そういうわけですから、神様の手で、天国の市民として選び出された、愛する皆さん。
お願いです。 どうか、神の使者であり、私たちの信仰の大祭司であるイエス様に、目を
とめてください。
2神の家で忠実に奉仕したモーセ同様、イエス様も、自分を大祭司に任命された神様に忠
実な方です。 3しかしイエス様は、モーセより、はるかにまさった栄光を、お受けにな
りました。 豪華な家よりも、その家を建てる人のほうが賞賛されるのと同じです。 4
家を建てることができる人は大ぜいいますが、すべてのものを造られたのは、神様です。
5確かにモーセは、神の家のために、賞賛に値する仕事をしました。 しかし彼は、単な
る神の召使にすぎません。 モーセの果たした主要な役割は、後に起こることを暗示する
ことでした。 6しかしキリスト様は、神様の忠実な息子として、神の家のいっさいの管
理を任されました。 もし私たちが、最後まで、揺るがぬ確信を持ち続け、喜びと主への
信頼を失わなければ、その神の家となれるのです。 そして神様が、そこに住んでくださ
るのです。
78ですから、聖霊様はこう警告します。 キリスト様の声に注意深く耳を傾けなさい。
今日その声を聞いたら、昔のイスラエル人のように、心を閉ざしてはいけません。 彼ら
は荒野で試練を与えられた時、神様の愛にそむき、心を鋼鉄のように堅くして、文句を言
い続けたのです。 9彼らは神様が忍耐強いので図にのり、何度も何度も反抗しましたが、
四十年の間、神様はそれを忍び通されました。 そればかりか、彼らの目の前で驚くべき
奇蹟を行ない続けられました。 10しかし、とうとう神様が、こう宣言される時が来た
のです。 「わたしの怒りは極に達した。 彼らはわたしに心を向けたことがなく、いつ
もほかを見ていた。 そんな彼らに、わたしの用意した道が見いだせるはずがない。」
11神様は怒り、決して人々を休息の地に導かないと、誓いを立てられたのです。
12愛する皆さん。 心が悪に染まり、不信仰にこりかたまって、生ける神様から離れる
ことがないように、自分の心を見張りなさい。 13まだ時間があるうちに、日々、互い
にこのことを確かめ合いなさい。 そうすれば、一人も罪の魅力に惑わされて、神様に心
を閉ざす人が出ないでしょう。 14もし私たちが、初めてキリスト様を信じた時と同じ
気持ちで、神様に信頼し、最後まで忠実であれば、キリスト様にあるいっさいの祝福を、
受けることができるのです。
15ですから、今この時が、かんじんなのです。 次の警告を、かた時も忘れてはなりま
せん。 「今日、語りかけてくださる神様の声を聞いたなら、荒野で反抗したイスラエル
人のように、心をかたくなにしてはいけない。」
16神様の声を聞きながら、逆らった人たちとは、いったいだれでしょう。 指導者モー
セに率いられて、エジプトを脱出した人たちです。 17四十年もの間、終始神様の怒り
を買ったのは、いったいだれでしたか。 罪のために荒野で死に果てた、あのイスラエル
人ではありませんか。 18神様が誓って、約束の地に入らせないと断言されたのは、だ
れに対してでしたか。 従うことを拒んだ、あの人たち全員に対してです。 19約束の
地に入れなかったのは、神様を信頼しなかったからです。
1とはいえ、だれでも、神様の用意された休息の地に入れるという約束は、今でも有効で
す。 ですから、あなたがたの中で、万一にも入りそこなう者が出ないように、警戒しよ
うではありませんか。 2なぜなら、モーセの時代の人たちと同様、私たちにも、救いを
もたらす、すばらしい知らせが伝えられているからです。 ところが、モーセの時代の人
たちには、この知らせは何の役にも立ちませんでした。 彼らは聞いても信じなかったか
らです。 3休息の地に入れるのは、神様を信じる私たちだけです。 世の初めから、受
け入れ態勢を整えて待っておられた神様は、「わたしは怒って誓う。 わたしを信じない者
を決して入らせない」とも宣言されたのです。
4私たちは、神様が準備万端ととのえて、待っておられることを知っています。 神様は
創造の七日目に、計画どおりにすべてをなし終えて休まれた、と書いてあるからです。
5にもかかわらず、彼らは閉め出されてしまいました。 神様がついに、「彼らを決してわ
たしの休息に入れない」と言われたからです。 6しかし、休息の地への約束はまだ有効
であり、中には、そこに入ることが許されている人もいます。 それは、不従順のため、
最初に与えられた機会を失った人たちではありません。
7しかし神様は、新しい機会を与えてくださいました。 それが今なのです。 最初の人
たちの失敗の後、長い年月が過ぎたころ、神様はダビデ王を通して、このことを知らせて
くださいました。 すでに引用したように、「今日、語りかけてくださる神様の声を聞いた
ら、心をかたくなにしてはいけない」と。
8ここでの新しい休息の地とは、ヨシュアに率いられて入った、パレスチナの地ではあり
ません。 もしそうなら、ずっとあとになって、今日がそこに入る時だ、などと言われる
はずがないからです。 9そういうわけで、完全な休息が、今なお、神様を信じる人たち
を待ち受けているのです。 10キリスト様は、もうすでに、そこにお入りになりました。
神様が創造の働きを終えて休まれたように、キリスト様も、任務を果たして、今はゆっく
り休んでおられるのです。 11ですから私たちも、この休息の地に入れるように、最善
を尽くしましょう。 イスラエルの人たちが、神様に不従順であったために、入りそこね
たことを肝に銘じて、くれぐれも注意しようではありませんか。
12神様のことばは生きていて、力にあふれています。 それは、鋭い刃物みたいに切れ
味がよく、心の奥深くに潜んでいる思いや欲望にまでメスを入れ、私たちの赤裸々な姿を
さらけ出します。 13神様はすべての人の心を、その人がどこにいようと、探り知るお
方です。神様に造られたもので、その目から隠れおおせるものは、一つもありません。 今
も生きて、すべてを見抜かれる神様の前に、裸のままさらけ出されているのです。 私た
ちはこの方に対して、自分のした、いっさいのことを、弁明しなければなりません。
14しかし、私たちを助けるために、天にのぼられた偉大な大祭司、神の子イエス様が味
方です。 ですから、イエス様への信仰を、決して失うことがありませんように。 15
この大祭司は、私たちと同じ試練に会われたので、人間の弱さをよく知っておられます。
しかしただの一度も、誘惑に負けて罪を犯したことはありません。 16ですから、躊躇
せず、思いきって、神の王座に近づいてあわれみを請い、必要な時に必ず与えられる恵み
を、いただこうではありませんか。
1‐3ユダヤの大祭司は、人々の代表として、いろいろな供え物をささげ、神様に仕えま
す。 しかし、大祭司といえども同じ人間なので、人々のためだけでなく、自分の罪が取
り除かれるためにも、いけにえの動物の血をささげます。 また、彼も人間なので、愚か
で無知な人人を、やさしくいたわることができます。 彼自身も同じ試練にさらされてい
るので、他の人々の問題をわが事のように理解し、同情できるのです。
4もう一つ大祭司について言えるのは、自分の意志では大祭司になれないということです。
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