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Japanese Living Bible 1 Corinthians
コリント人への手紙 Ⅰ(コリント教会の皆さんへ Ⅰ)
ほんとうの愛! その愛について、著者パウロはことばを尽くして語ります。 当時、コ
リントの教会には、いろいろな問題が持ち上がっていました。 その原因は、「自分さえよ
ければ、人はどうでもいい。自分のしたいことをして何が悪い。 それが自由というもの
だ」といった態度にあることを、パウロは鋭い目で見抜いていました。 そして、時には
厳しいとも思える口調で忠告し、お互いに心から愛し合い、欠点を補い合い、問題を解決
するよう勧めています。
1 神様に選ばれて、キリスト・イエスを宣べ伝える伝道者となったパウロと、信仰の友
ソステネから、 2神の民として招かれ、キリスト・イエスによって神様に受け入れられ
る者とされた、コリント教会の皆さん、および主イエス・キリストの御名を至る所で呼び
求めているクリスチャンの方々へ。
この主は、私たちの主であると共に、すべての人の主です。
3どうか、父なる神と主イエス・キリストが、あなたがたをあふれるほど祝福し、すばら
しい平安を与えてくださいますように。
4神様があなたがたにお与えになったすばらしい贈り物を思う時、感謝せずにはいられま
せん。 今やあなたがたは、キリスト様のものとなったのです。 5キリスト様は、あな
たがたの全生活を充実させてくださり、キリスト様について大胆に語る力や、真理を十分
に理解する力を与えてくださいました。 6以前、私が、キリスト様はきっとそうしてく
ださる、と話しておいたとおりでしょう。 7今やあなたがたは、あらゆる恵みと祝福と
を手にしたのです。 主イエス・キリストのおいでを待ち望んでいるこの時、主のお心に
かなったことをするのに必要な、あらゆる霊の賜物と力とが、あなたがたには備わってい
ます。 8そして、主が再び来られるその日に、あなたがたが罪も欠点もない者と認めら
れるように、主は最後まで責任をもって守ってくださいます。 9この神様の約束は確か
です。 神様はいつでも、口にしたことばをそのとおり実行なさるからです。 この神様
があなたがたを、神の子、すなわち主イエス・キリストとのすばらしい交わりに、招き入
れてくださったのです。
10しかし、愛する皆さん、私は主イエス・キリストの御名によってお願いします。 仲
間同士の言い争いはやめなさい。 教会の中で仲間割れなどしないよう、真の一致を保っ
てください。 同じ考え、同じ目的で結ばれて、一つ心になってほしいのです。 11実
は、クロエの家の者が知らせてくれたのですが、愛する皆さん、あなたがたの間には、口
論や反目があるそうではありませんか。 12ある人は「私はパウロの弟子だ」と言い、
また、ある人は「私はアポロの弟子だ」とか「私はペテロの弟子だ」と言い、また、ある
人は「自分たちだけがキリスト様の真の弟子だ」と言っているそうですね。 13そのよ
うに言い争って、キリスト様を小間切れにするつもりですか。
しかし、このパウロが、あなたがたの罪のために死にましたか。 あなたがたのだれが、
私の名によってバプテスマ(洗礼)を受けたでしょうか。 14いま私は、あなたがたの
ところで、クリスポとガイオのほかには、だれにもバプテスマを授けなかったことを、心
から感謝しています。 15私が新しく、「パウロの教会」とやらを起こそうとしていたな
どと考えられては、たまらないからです。 16そうそう、ステパナの家族にもバプテス
マを授けましたね。 しかし、そのほかは、だれにも授けた覚えはありません。 17キ
リスト様が私をお遣わしになった目的は、バプテスマを授けさせることではなく、良い知
らせを宣べ伝えさせるためです。 私の説教も、貧弱に聞こえるかもしれません。 難し
いことばを使ったり、高尚な考えを述べたりはしないからです。 それというのも、キリ
スト様の十字架の教えの単純さに込められているすばらしい力を、そんなもので薄めては
ならない、と考えているからです。
18「イエス様は私たちを救うために死んでくださった」ということばが、滅んでゆく人々
にはどんなにばからしく響くか、私にはよくわかっています。 しかし、救われた私たち
は、これが神の力そのものであると認めるのです。 19なぜなら、神様がこう言われる
からです。
「わたしは、たとい人の目には
どんなにりっぱに見える計画でも、
人間の側の救いの計画をことごとく打ちこわし、
最も才気あふれる人の、最もすぐれた考えをも無視する。」
20こうした知識人、学者、この世の重大問題にかかわる議論家たちについては、何と言
われているでしょう。 神様は、彼らをみな愚か者とし、そんな知恵など無用の長物だと
きめつけました。 21この世がいかに人間のすぐれた知恵を結集しても神様を見いだせ
ないのは、神様のお考えによることです。 そして神様は、一般の人には、ばかばかしく
て話にならないような神のことばを信じる人を、救うことにされたのです。 22これは、
ユダヤ人には、ばからしく思われるでしょう。 彼らは、説かれていることの真実さを証
拠立てるような、天からのしるしを求めているからです。 また、それ以外の外国人にも、
ばからしいと思われるでしょう。 彼らは、理性で納得できることとか、賢明と思われる
ことしか信じないからです。 23それで、人々を救うために死なれたキリスト様につい
て話すと、ユダヤ人は腹を立て、外国人は「まるでナンセンスだ」と言うのです。
24しかし神様は、ユダヤ人でも外国人でも、救いへと招かれた人々の目を開いて、キリ
スト様こそ彼らを救う偉大な神の力であることを、悟らせてくださいました。 実に、キ
リストご自身こそ、人々を救うための、神の知恵に満ちた計画の中心なのです。 25こ
の、いわゆる「ばからしい」神の計画は、最高の知識人の最も賢明な計画より、はるかに
すぐれたものです。 また、キリストの十字架上の死という神の弱さは、実は、どんな人
間よりも強いのです。
26愛する皆さん。 自分たちの仲間を見回してごらんなさい。 キリスト様に従うあな
たがたの中には、有名人や権力者や金持ちはほとんどいません。 27それどころか、神
様は、この世では愚か者、無価値な者と思われている人々を、わざわざお選びになりまし
た。 それは、この世で知恵ある者、りっぱな人とされている人々を辱しめるためです。
28神様は、いわゆるこの世で見下されている者、全く取るに足りない者を選び、そんな
人々を役立てることによって、世間では大物と言われる人を、なきに等しい者とされたの
です。 29ですから、どこのだれであっても、神の御前で自慢することはできません。
30というのは、あなたがたがキリスト・イエスによっていのちを確保できたのは、ひと
えに神様のおかげだからです。 キリスト様は、神様の救いの計画を明らかにしてくださ
いました。 私たちを神様に受け入れられる者としてくださったのは、このキリスト様で
した。 この方は、私たちを、きよく聖なる者とし、また、私たちの救いを買い取るため
に、ご自身を投げ出されたのです。 31旧約聖書の、「だれでも誇ろうとする者は、主の
なさったことだけを誇れ」という、ことばどおりになるためです。
1愛する皆さん。 私が初めて皆さんのところへ行った時、神様からのことばを伝えるの
に、程度の高い、難しいことばづかいをしたり、りっぱな理論をふりまわしたりはしませ
んでした。 2なぜなら、イエス・キリストと、その十字架上の死以外は語るまい、と決
心したからです。 3私は弱々しく、おずおずと、震えおののきながら、あなたがたのと
ころへ行きました。 4また私の説教も、雄弁な説得力あることばや、人間的な知恵には
ほど遠く、全く単純そのものでした。 しかし、そのことばには神様の力がこもっていて、
聞く人々は、それが神様からのことばだとわかったのです。 5私がそうしたのは、あな
たがたの信仰が、人間のすぐれた思想にではなく、神様に根ざしてほしかったからです。
6とはいえ、成長したクリスチャンの間では、私はすぐれた知恵のことばを語ります。 し
かしそれは、この地上の知恵ではなく、また、滅ぶべき運命にある、この世のお偉方の気
に入る知恵でもありません。 7私たちのことばに知恵があるのは、それが神様から出た
教えで、天の栄光に導く、神様の知恵に満ちた計画を告げるものだからです。 この特別
の計画は、以前は隠されていましたが、世界の始まる前から、私たちのために備えられて
いたものです。 8しかし、この世の偉い人々は、このことを理解しませんでした。 も
し理解していたら、まさか栄光の主を十字架につけるようなまねは、しなかったでしょう。
9まさに、旧約聖書の次のことばどおりです。
「普通の人が、これまで見聞きしたことも、
想像したこともないほどすばらしいことを、
神様は、ご自分を愛する人々のために
用意してくださった。」
10しかし私たちには、このすばらしいことがわかっています。 神様がご自分の御霊を
通して知らせてくださったからです。 神の御霊は、神様の最も奥深い秘密を探り出して、
それを教えてくださるのです。 11人が何を考えているか、その人が実際にどんな人間
であるか、本人以外にはわかりません。 同様に、神様の考えを知りうるのは、神の御霊
以外にありません。 12事実、神様は私たちに、この世の霊ではなく、ご自分の御霊を
与えてくださいました。 それは、神様からの、すばらしい恵みと祝福という贈り物を、
私たちが知るためです。
13この贈り物について話す時、私たちは、自分が人間として選んだことばではなく、聖
霊様によって教えられたことばを使ってきました。 つまり、聖霊様のことを説明するに
は、聖霊様のことばを用いるのです。 14しかし、クリスチャンでない人は、聖霊様が
教えてくださる神様の思いを理解することも、受け入れることもできません。 彼には、
ばからしく思えるのです。 というのは、自分のうちに聖霊様をいただいている人だけが、
聖霊様のお考えを理解できるからです。 ほかの人にはそれが理解できません。 15聖
霊様をいただいている人は、すべてを見抜きます。 ところが、この世の人は彼を全く理
解できないので、まごつき、とまどうのです。 16どうして、この世の人にそれがわか
るでしょう。 なぜなら、彼は、主の思いを知ったこともなく、それを主と論じ合ったこ
ともなく、また、祈りによって神様の御手を動かしたこともないからです。 しかし、驚
くべきことに、実際に私たちクリスチャンは、まさにキリスト様の思いと心の一部を共有
しているのです。
1愛する皆さん。 私は皆さんにクリスチャン生活の面では、まるで子供に対するように
書いてきました。 あなたがたは、主に従わないで、好きかってに、ふるまっています。
そんなあなたがたに、御霊に満たされた健全なクリスチャンを相手にしているようには書
けないからです。 2つまり、堅い食物を避けてミルクを飲ませました。 堅い食物の消
化はむりだったからです。 現に今でも、ミルクしか飲めない有様です。 3相変わらず、
よちよち歩きもおぼつかないクリスチャンで、神様に従うどころか、好きかってに、ふる
まっているのですから。 それは、あなたがたが、ねたみ合い、仲間割れをしていること
からも、明らかです。 実際、あなたがたの態度ときたら、まるで主を信じていない人み
たいです。 4「パウロとアポロとどちらが偉いか」などと口論して、教会を分裂させて
いる現状では、主にあって少しも成長していないことを、さらけ出しているようなもので
はありませんか。
5私たちが争いの原因になるなんて! いったい、私が何者だと言うのですか。 アポロ
が何者ですか。 ただ神様に仕える者にすぎず、それぞれに特別の才能が与えられて、あ
なたがたが信じるように、手助けしたにすぎません。 6私の仕事は、あなたがたの心に
種をまくことでした。 アポロの仕事は、それに水をやることでした。 しかし、あなた
がたの心の中でそれを生長させたのは神様であり、私たちではありません。 7まく者も、
水をやる者も、さほど大切ではありません。 大切なのは、生長させてくださる神様なの
です。 8アポロも私も、同じ目標を目指して働いていますが、それぞれ、その労苦に従
って報酬を受けるでしょう。 9私たちは神様の協力者にすぎません。 あなたがたは、
私たちの畑ではなく、神様の畑です。 私たちの建物ではなく、神様の建物です。
10神様は恵みによって、私に、どうしたら腕のよい建築家になれるかを教えてください
ました。 私が土台をすえ、アポロがその上に建物を建てました。 しかし、その土台の
上に建物を建てる者には、細心の注意力が必要です。 11私たちがすでに持っている本
物の土台―― イエス・キリスト――以外に、土台をすえることなど、だれにもできない
からです。 12しかし、この土台の上には、いろいろの材料で建てることができます。
金や銀や宝石を使う人もいれば、また、木や草、あるいは、わらなどを用いる人もありま
す。 13やがて、すべてがテストされる、キリストのさばきの日が来ます。 その時に
は、建築家が各自どんな材料で建てたか明白になります。 それぞれの仕事は火でテスト
され、なお、価値が変わらないかどうか、ほんとうに完璧な建物かどうかが、だれの目に
も明らかになります。 14そして、その土台の上に適切な材料を使って建てた人は、建
物があとに残るので、報酬を受けます。 15しかし、家が焼けてしまった人は、大損害
をこうむります。 ただその人自身は、炎の中をくぐり抜けるように、命からがら救われ
るでしょう。
16あなたがたは、自分たちがお互いに神の家であり、神の御霊が、その中に住んでおら
れることが、わからないのですか。 17もし、神の家を汚したり、こわしたりする人が
いれば、神様はその人を滅ぼされます。 なぜなら、神の家はきよく聖なるものだからで
す。 あなたがたは、その神の家なのです。
18自分をだますのはやめなさい。 「世間一般からすれば、自分は人並み以上のりこう
者だ」と、もし考えているのなら、そんな考えはかなぐり捨てて、むしろ、ばかになるほ
うが身のためです。 天からの真の知恵を受ける妨げにならないためです。 19この世
の知恵は、神様から見れば愚かだからです。 旧約聖書のヨブ記に、「神は人の知恵を、そ
の人を捕らえるわなとして用いられる」と書いてあるとおりです。 つまり、人は自分の
「知恵」につまずいて倒れるのです。 20また、詩篇には、「主は、人間の考えや判断が
どんな程度か、また、それがどんなに愚かしく無益か、よく知っておられる」とあります。
21ですから、この世の知者の弟子であることを誇ってはなりません。 神様はすでに、
あなたがたに必要なものは全部与えてくださっているからです。 22パウロも、アポロ
も、ペテロも、あなたがたを助けるために、神様がお遣わしになったのです。 神様は全
世界を、あなたがたの益になるよう与えてくださいました。 生も、また死さえも、あな
たがたの配下です。 現在のものも、将来のものも、すべては、あなたがたの手にありま
す。 23そして、あなたがたはキリスト様のもの、キリスト様は神様のものです。
1こういうわけで、アポロや私を、神の特別の計画を説明し、その祝福を配って回る、キ
リスト様の家来と考えてください。 2ところで、家来にとって一番大切なことは、主人
の命令に従うことです。 3さて、私の場合はどうでしょう。 良い家来だったでしょう
か。 この点に関して、あなたがたがどう考えようと、また、ほかの人がどう思おうと、
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