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Japanese Living Bible Old Testament Deuteronomy
モーセの最後の説教(申命記)
カナン入国を前に、モアブ平原でなされたモーセの一連の演説や、種々の規則、およびモ
ーセの後継者ヨシュアの任命などについて語られています。 モーセは演説の中で、その
時までに起こった事件を要約し、人々に信仰と従順の道を歩むよう訓戒し、神様が与えた
任務にイスラエルが再献身するよう呼びかけています。 ヨシュアの任命およびモーセの
死とともに、古い秩序は終わり、イスラエルの運命は次代の人々の手に移ります。
1‐5この書は、モーセがヨルダン川の東、モアブ平原のアラバ渓谷で演説した時の記録
です。 当時、イスラエルの人々はそこに野営していたのですが、付近には、スフ、パラ
ン、トフェル、ラバン、ハツェロテ、ディ・ザハブなどの町がありました。 この演説が
行なわれたのは、ホレブ山(シナイ山)を出発してから四十年目の二月十五日でした。 と
ころで、ホレブ山のふもとからカデシュ・バルネア〔約束の地パレスチナの南端〕までは、
セイル山を通れば、普通なら歩いても十一日ほどで来られます。 それはさておき、この
時にはすでに、ヘシュボンでエモリ人の王シホンを、エデレイに近いアシュタロテでバシ
ャンの王オグを打ち破ったあとでした。 ここへたどり着くまでの間、神様はいろいろな
法律をモーセをとおして伝えましたが、それを全部まとめて、もう一度、モーセが説明し
なおしたのです。
6 「皆さん、今からちょうど四十年前、神様がホレブ山でこう言われたのを覚えていま
すか。 『もうこれ以上、ここにいる必要はない。 7出発しなさい。 エモリ人の山地、
アラバ渓谷、ネゲブ、カナンとレバノンの全土、つまり地中海からユーフラテス川までの
全地域を占領するのだ。 8わたしが与えると言うのだから遠慮はいらない。 どんどん
入って行きなさい。 そこが、昔おまえたちの先祖アブラハム、イサク、ヤコブおよびそ
の子孫に、いつか必ず与えると約束した国だからだ。』
9 あの時、私は皆さんにこう訴えました。 『私一人じゃ、これから先、とても全員の
めんどうを見きれない。 どうしても助手がいる。10神様があなたがたを、星の数ほど
にふやしてくださったからだ。 11それどころか、お約束どおり今の千倍にもしてくだ
さるそうだ。 12こんなに大ぜいじゃ、もめ事や問題もたくさん起こる。 とても一人
ではさばけない。 13そこでお願いだが、各部族から、人生経験が豊かで知恵もあり、
もの事のよくわかる者を選んでくれないか。 その者たちを指導者に任命しよう。』
14 みんなが賛成してくれたので、 15私は彼らを助手に任命しました。 いちばん
上を千人の者を指導する長とし、その下にそれぞれ百人、五十人、十人の者の世話をする
長を置いたのです。 彼らはめいめい、自分の管理のもとにある人々のもめ事を解決した
り、いろいろ必要な世話をしたりすることになりました。 16当然ですが、いつでも、
だれに対しても、たとい外国人でも、決して差別をせず、あくまで正しく振る舞うように
言っておきました。 17『決定を下す時、金持ちの肩をもってはいけない。 身分の高
い者も低い者も同じように正しく扱いなさい。 神様の代わりにさばくのだから、人の不
平不満を恐れることはない。 手に負えない事件は、私のところに持って来れば処理して
やろう。』 18あの時には、ほかにもいろいろ指図しました。
19‐21それからホレブ山を発って、恐ろしく果てしもない荒野を旅し、神様のお守り
のもとにエモリ人の山地に着きました。 そしてついに、約束の国との境にあるカデシュ・
バルネアまで行ったのです。 あそこで私は、『神様がこの国を下さったのだから、ご命令
どおり前進して占領しなさい。 恐れたり疑ったりしてはいけない』と告げました。
22 これに対してみんなは、『まずスパイを送り込もう。 いちばん攻めやすい町から占
領したほうがいい』と提案したのです。
23 もっともなので、各部族から一名ずつ、全部で十二名のスパイを選びました。 2
425彼らは山地に潜入し、エシュコルの谷まで行くと、その地のくだものを持ち帰りま
した。 それを見て、神様の下さった地が実に良い地であることが、はっきりわかりまし
た。 26ところが、みんなは神様の命令に逆らい、前進したくないと言いだしたのです。
27 そして、テントの中でぶつぶつ不平を言いました。 『神様はきっと、私たちがお
きらいなんだ。 だから、わざわざエジプトから連れ出し、エモリ人の手にかけて殺そう
としておられるんだ。 28どうしよう。 スパイの報告じゃ、やつらは背が高く、力も
あり、町の城壁はおっそろしく高いっていうじゃないか。 おまけに、アナク人の子孫の
巨人を見たとも言ってた。 考えただけでもぞっとする。』
29 そこで私は反論しました。 『恐れることはない。 30神様が先頭に立って戦っ
てくださる。 エジプトでは力強い奇蹟を行ない、31そのあともずっと、まるで父親の
ように気を配り、荒野の旅を安全に守ってくださったことを忘れたのか。』 3233しか
し、何を言ってもむだでした。
それまでいつも共にいて、野営するのに最適の場所を選び、夜は火の柱、昼は雲の柱で、
進む道を教えてくださった神様を、彼らは信じようとしなかったのです。
3435これには神様も腹を立てました。 おかげで、当時おとなだった者は一人も約束
の国へ入れなくなりました。 36ただ、エフネの息子カレブは別です。 神様の命令に
完全に従い通したほうびに、自らスパイとして潜入した地の一部を、相続地としてもらえ
るのです。
37 不信仰な者たちのために、私でさえ神様の怒りを買い、こう言い渡されました。 『お
まえは約束の国へ入れない。 38代わりに、おまえの助手ヌンの息子ヨシュアが指導者
となるのだ。 その準備ができるように励ましてやりなさい。 39国は、荒野で死ぬ者
の子供たちに与えよう。 40決して、おまえたちのものにはならない。 だから、回れ
右をして荒野の道を紅海の方へ戻りなさい。』
41 すると今度は、あわてて罪を告白しだしたのです。 『お赦しください。 私たち
が悪かったのです。 ご命令どおり、その国に攻め入ります。』 そう言うと、簡単に全地
を征服できるとでも思ったのでしょうか、あたふたと武装し始めました。
42 それでも神様は、きっぱり言われました。 『やめさせなさい。 わたしがいっし
ょに行かないのにむちゃをしたら、ひどい目に会うだけだ。』
43 その警告を聞き入れず、彼らはまたもや神様の命令に背いて、山地に攻め上ったの
です。 44案の定、結果はさんざんでした。 エモリ人の迎え撃ちに会い、あべこべに
セイルからホルマのあたりまで激しく追撃されたのです。 45逃げのびた者たちは神様
に泣きつきましたが、お聞き入れにはなりません。 46しかたなく、長いことカデシュ
にとどまりました。
1 そのあと、神様の命令どおり、荒野を通って紅海の方に戻りました。 こうして、長
いことセイル山のあたりをさまよったあげく、2やっと神様のおことばをいただいたので
す。
3 『ここにはもう、とどまらなくてよい。 北へ行きなさい。 4これからエドム人の
国を通る、と皆に知らせなさい。 エドム人は、ヤコブの兄でセイルに住みついたエサウ
の子孫にあたり、おまえたちとは同族だが、ひどく神経をとがらせているから、くれぐれ
も注意が必要だ。 5まちがっても戦いをしかけてはいけない。 セイルの山地はみな、
わたしが永遠の領地として彼らに与えたからだ。 ほんの一部でも、おまえたちに与える
つもりはない。 6食糧や水がいる時は、金を払って買いなさい。 7全くこの四十年間、
わたしが守り、祝福してやったからこそ、おまえたちは果てしもない荒野をさまよいなが
ら、何不自由なく過ごせたのだ。』
8 そこで私たちは、同族のエドム人が住むセイルをあとにし、南のエラテ、エツヨン・
ゲベルに至るアラバ街道を横切って北へ向かい、モアブの荒野へと旅を続けました。
9 すると神様は、『モアブも攻撃してはいけない。 そこはロトの子孫のものだ。 おま
えたちに与えるつもりはない』と警告なさったのです。
10――モアブには以前、アナクの巨人と同じように背の高いエミム人が、大ぜい住んで
いました。 11エミム人もアナク人と同じように、レファイム人だと考えられていたの
ですが、モアブ人は彼らをエミム人と呼んだのです。 12それより以前、セイル地方に
はホリ人が住んでいましたが、追い出され、エサウの子孫のエドム人が代わって住みつき
ました。 ちょうど、イスラエル人がカナン人を追い出し、その地に住みついたようにで
す。――
13 『さあ、ゼレデ川を渡りなさい』と神様に命じられ、私たちは従いました。
1415こうしてみると、カデシュに着いてからゼレデ川を渡るまで、実に三十八年もか
かったことになります。 それというのも、三十八年前、すでに成人し、戦いに出られる
ようになっていた者が死に絶えるまでそうはならないと、神様が誓われたからです。 お
ことばどおり、彼らは全員、罪の報いを受けました。 1617こうして、待ちに待った
神様のおことばがありました。
18 『きょう、モアブの領土、アルを通って、 19アモン人の国へ入りなさい。 た
だし、そこはロトの子孫のもので、おまえたちに与えるつもりはないから、戦いをしかけ
てはいけない。』
20――その地にも以前、アモン人がザムズミム人と呼んだレファイム人が住んでいまし
た。 21アナク人のように背が高く強大な氏族でしたが、アモン人に侵略されたのです。
神様が彼らを滅ぼしたので、アモン人が代わって住みつきました。 22同じように神様
は、今セイル山に住むエサウの子孫に味方し、先に住んでいたホリ人を滅ぼしました。 2
3ガザにまで及ぶ地方の村々に散在していたアビム人をカフトル人が侵略し、滅ぼした時
も同じです。――
24 続けて、神様はお語りになりました。 『アルノン川を渡り、ヘシュボンの王、エ
モリ人シホンの国を攻め取りなさい。 25きょうから、天下のあらゆる国民はおまえた
ちを恐れ、おまえたちが来ると聞いただけで震え上がるだろう。 わたしが彼らをこわが
らせるからだ。』
26 そこでまず、ケデモテの荒野からヘシュボンの王シホンに使者を送り、和平を申し
入れました。 27『お国を通らせてください。 わき道にそれたり、畑に入ったりはせ
ず、ただ街道をまっすぐ進みます。 28途中で食糧を盗んだりもしません。 食糧や水
を分けてもらったら、代金をきちんとお払いします。 ただ通らせていただくだけでけっ
こうです。 29セイルのエドム人や、アルを首都としているモアブ人は、国を通らせて
くれました。 私どもは、ヨルダン川を渡り、神様が下さると言われた国へ行く途中なの
です。』
30 ところが王は断わりました。 いま見るとおり、王をあなたがたの手で滅ぼさせよ
うと、神様がわざと強情を張らせたのです。
31 そのあと、神様は私に、『さあ、シホン王の国をやろう。 遠慮なく占領するがいい。
そこは永遠にイスラエルのものだ』と約束なさいました。
32 シホン王は宣戦を布告し、ヤハツに軍隊を集めました。 3334しかし神様のお
助けで、私たちは彼を負かしました。 町という町はすべて占領し、男も女も赤ん坊さえ
も皆殺しです。 3536家畜以外、生き残った者はありません。 家畜は分捕り物とし、
ほかにも戦利品を略奪して、意気揚々ひき揚げました。 アルノン渓谷のアロエルやその
他の町々をはじめ、ギルアデまでの全地を占領したのです。 なにしろ神様が下さったの
ですから、戦うところ敵なしです。 37ただし、アモン人の国、ヤボク川、山地の町々
など、神様のお許しがない所には近づきませんでした。
12次に行ったのは、バシャンの王オグの国です。 ここでもまた、王は直ちに軍隊をく
り出し、エデレイで戦いをしかけて来ました。しかし、少しも恐れることはありませんで
した。 神様が、『この国も国民も、おまえたちのものだ。 ヘシュボンのエモリ人の王シ
ホンと同じ目に会わせてやるがいい』と励ましてくださったからです。3そのとおり、私
たちは神様に助けられて、彼らを皆殺しにし、 4バシャンのアルゴブ地域にある六十の
町を占領しました。 5どの町も、高い城壁とがっちりした門で守りを固めてありました。
ほかに、城壁のない町も奪いました。 6ヘシュボンの王シホンの国と同じように、バシ
ャンの国を全滅させ、男も女も子供も、一人残らず殺したのです。 7ただし、家畜と戦
利品は分捕り物としました。
8 こうして、エモリ人の二人の王を滅ぼし、ヨルダン川の東側に広がる、アルノン渓谷
からヘルモン山までの全地域を占領したのです。 9――ところで、ヘルモン山のことを
シドン人はシルヨンと呼び、エモリ人はセニルと呼んでいました。―― 10高原にある
すべての町、ギルアデの全土、サルカからエデレイまでのバシャンの町々は、私たちのも
のになりました。
11――バシャンの王オグは、レファイム巨人の最後の生き残りでした。 彼が使ったベ
ッドがアモン人の町ラバの博物館に保存されていますが、鉄製で、長さがなんと四メート
ル半、幅は二メートルもあります。――
12 さて、征服した国は、ルベン部族、ガド部族、マナセの半部族に与えました。 ル
ベン部族とガド部族には、アルノン川のアロエルのほかギルアデの山地の半分と町々を、
13マナセの半部族には、ギルアデの山地の残り半分とオグ王の国のアルゴブ地域全部で
す。――バシャンはレファイムの国と呼ばれることもあります。―― 14マナセ部族か
ら出たヤイル氏族は、ゲシュル人とマアカ人の国境までのアルゴブ地域全体を取り、氏族
の名にちなんで、現在のようにハボテ・ヤイル〔「ヤイルの村」の意〕と変えました。 1
5ギルアデはマキル氏族のものになりました。 16ルベン部族とガド部族に与えられた
のは、ギルアデからアルノン渓谷の中ほどまで、北はアモン人との国境ヤボク川までの地
域、 17それに、アラバ〔荒れ地〕です。 つまり、西の境をヨルダン川に接し、キネ
レテの海からピスガ山、塩の海〔別名アラバの海〕までの地域です。
18 そのとき私は、これらの三部族に注意しました。 神様は確かにその土地を下さる
が、兵士たちはみな武装し、ほかの部族の先頭に立ってヨルダン川を渡り、神様の約束の
国を占領するまで、そこに住みつくことはできない、と。
1920『ただし、女、子供はここに住んでもよい。 家畜の世話をしながら、戦いに出
た者の帰りを待つのだ。 ヨルダン川の向こう側にある約束の国を征服し、ほかの部族の
土地を確保したら、自分たちのところへ帰ってかまわない。』
21 ヨシュアには、こう命じました。 『いいか、神様があの二人の王になさったこと
を、よく見たな。 同じことを、ヨルダン川の向こう側のすべての国にもするのだ。 2
2神様が戦ってくださるから、敵を恐れるな。』
23‐25そして、神様に必死でお願いしました。 『ああ、神様、お願いでございます。
どうか、ヨルダン川の向こうに広がるお約束の国へ行かせてください。 あのなだらかな
山地、豊かな土地、そしてレバノンに行きたいのです。 これまでもすばらしい奇蹟や偉
大な御力を見せていただきましたが、最後までその結果を見届けさせてください。 あん
なすばらしいことのできるお方は、神様のほかにはいません。』
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